しかし、である。そんな国民総出のイベントに、乗り切れない人たちもいる。著者のように普段は熱心なサポーターではない人まで、4年に1度のこの時期になると青いユニフォームを着て日本代表に声援を送るなか(著者は、さすがにユニフォームは着ていないが)、冷めた目で現在のお祭り騒ぎを見ている人たちがいるのである。

 誰もが日本代表を応援しなければいけない。日本代表戦があった次の日には、その話題で盛り上がらなければいけない──。そんな同調圧力に違和感を覚え、モヤモヤしている人たちにとってこの時期は息苦しい。日本代表の活躍に冷水を浴びせるつもりはないが、そういった人たちは今の状況をどのようにとらえているのか。胸の内を探った。

“にわか”は、大騒ぎしたいだけのバカ?

 さっそく筆者が聞き取り取材した“W杯アンチ派”の意見をチェックしていこう。

「サッカーが好きではない人が、1人もいないかのような雰囲気に息苦しさを感じる。テレビをつけてもW杯の話題ばかり。もっと大切なニュースがあるだろうに」(30代男性)

「普段からサッカーを観ている人ならいいけど、そうではない人たちまでお祭り騒ぎするのが気持ち悪い。特に、渋谷のスクランブ交差点でハイタッチしている人の気がしれない。大騒ぎできれば、別にサッカーじゃなくてもいいんだと思います」(40代女性)

「日本代表戦で盛り上がるのは勝手だけど、試合を観なかったことを職場の同僚に『ありえない』と言われてモヤモヤ。試合を観なかっただけで、まるで非国民のような扱いです。サッカーに興味ない人もいるんだから、せめてほっといてほしい」(20代男性)

「急にサッカーにハマった友人が、『日本は絶対ベスト8に進出する!』ってドヤ顔で予想してたんだけど、そんな甘いものなの? 浮かれすぎだと思います」(30代女性)

「とりあえず、『半端ない』と言っておけば盛り上がる、みたいな風潮……」(30代男性)

「動物に試合の勝敗を予想させるやつ、あれは何なんですかね?本気?」(20代女性)

 コメントを見る限り、現在の狂騒めいた状況に、相当フラストレーションが溜まっているようである。なかでも、“にわか”に対する反感は強く、W杯アンチ派の目には「大騒ぎしたいだけのバカ」に映っているようだ。筆者も耳が痛い限りである。