食費は上昇、さらに教育費もかかる状況の中で、小遣いやレジャーを減らそうと考えたが、私立に入った長男のママ友との付き合いもあり、家計の支出削減が思うようにできない。思い悩んだ末、長男は公立に戻ることになったが、近所の目を気にする生活で家庭の雰囲気が暗くなりつつあった。

 長男が高校、長女が中学に進学する3年後、夫はうつ病を発症、約1年半の休職をした。

 こういう緊急時に家計を圧迫するものの1つに住宅ローンがある。A家の場合、住宅ローンや固定資産税、管理費等で年間約180万円(月額約15万円)がかかっている。この費用が家計を圧迫した。

 家計を見直すため、住宅ローンの借り換えを申請したが、夫の健康面から団体信用生命保険の審査が通らなかったために、このまま払い続けることになった。

 その後、夫の体調が回復するも、年収は手取りで660万円の半分以下に減ってしまったため、最終的に妻がパート(月額約8万円)で収入を補わざるを得なくなった。

 これらの状況により、夫が42歳時に1500万円、47歳のピーク時に1700万円あった貯蓄残高がそれ以降減少、特に51歳以降大きく減少していることがわかる。このままいけば、54歳になると貯蓄がマイナスに転落することがこのグラフから見て取れるだろう。もし厳しくなったら、親から子どもの教育費分を借りようかと夫婦で話し合っているそうだ。

 しかし、そんな話し合いをしても、根本的な解決にはならない。夫婦で今、何があれば幸せかを話し合う必要がある。住居の売却や引っ越し、夫婦の働き方、通信費や被服・レジャー費、子どもの教育費についても抑えられるところは何かを話し合い、一家みんなで乗り越える気持ちにならなければ、負のスパイラルから抜け出せないだろう。

収入はA家より少ないのに
B家はなぜ幸せなのか?

 次にB家の家計状況について、見てみることにしよう。

<B家>
夫:34歳で結婚、左官屋として中小企業で働き、年収370万円(額面ベース)
妻:30歳で結婚、外資系企業の正社員で年収430万円(額面ベース)。31歳の時に長女、34歳の時に長男を出産。仕事は育児休業をとりながら続けている

年間生活費:42歳当初603万円(内訳:住宅ローン125万円、固定資産税や管理費36万円、車費36万円、生命保険料24万円、教育費76万円、食費・日用品費144万円、水道光熱費・通信費48万円、レジャー・小遣い90万円、医療費・その他24万円)
※金額は10年前(夫42歳)当時をもとに一部物価上昇などを反映して算出している。