奥ゆかしさを誇る半面、
他者を罵倒する日本人の「病」

 なぜネットには、匿名なのをいいことに、人を見下したような悪口を溢れかえるのか。なぜ寝る間を惜しむかのように四六時中、人の粗探しに心血を注ぐような人が多いのか。中川淳一郎氏の言うように「ネットはバカと暇人のもの」という側面もあるのかもしれないが、筆者には日本人をそういう他者攻撃に駆り立てる「病」があるような気がしてならない。

「低能先生」だけではなく、新幹線でナタを振り回した青年や、拳銃を奪った元自衛官など、社会に適応できなかった人の犯行が増えているのは、その「病」が影響しているのではないか。

 そういえば、「非国民」が棍棒で追いかけ回されたあの時代、岡山の山村では、肺結核で徴兵検査に落ちた都井睦雄という若者が、猟銃とナタで30人の村人を次々と惨殺した、いわゆる「津山30人殺し事件」が起きている。

 このような人たちが抱く社会への怒りが、「理不尽な逆恨み」なのは言うまでもないが、彼らの怒りを駆り立てる「何か」が社会にあるという事実も受け入れなくてはいけない。

「みんな」や「日本」という言葉を出せばすべてが許され、その輪を少しでも乱す者は袋叩きにされる。「生きづらい」「もっと人を思いやれ」と叫ぶ裏で、こうしている今も名前を隠した誰かが、他人の粗探しをしてスッキリしている。

 こういう日本人の病的な気質を改めない限り、「低能先生」のような人たちからの「復讐」は終わらないのではないか。