社長の喋る内容がつまらない問題

村上:雇われ社長が株主総会や決算発表で話す内容で面白いものが少ないのも似たような話ですね。多くの場合、発表のスクリプトって事前に書かれてしまっている。各部門をたらい回しになった当たり障りのない文章を、社長が律儀に読んでる会社って一杯ありますね。

朝倉:自分が100%組織を掌握しきれているわけでもなく、波風を極力立てないようにしようとすると、それが合理的なやり方なんでしょうね。

村上:若手お笑い芸人の漫才を100人位のおじさん達が事前に見て、「これじゃクレーム来るな」とか、「これじゃあお客さんにウケへんな」とかって手を入れて、書き直した漫才を見せられても、そりゃつまらんやろうね。

小林:フィルターって増えれば増える程、摩耗していくワケじゃないですか。スクリプトはその代表で、何周もすると普通の文章になって「機械が喋ってるんですか?」みたいな出来になる。全く当たり障りのない文章。

村上:スクリプトを読まない代表はやっぱりオーナー社長。オーナー社長の会見のほうが面白いのはそのせいだと思います。

朝倉:当人次第だと思いますけどね。僕は重要な発表については基本的に自分で考えていましたよ。広報やIRがまとめてくるものって、正直、絶望的につまらないし、そんなつまらないものを自分の名前の下で世間に発信することに対して耐え難い精神的苦痛を感じるから。決算発表のスライドにしたって、どうしても耐えられないポイントについては、自分で描き換えますもん。自分の言葉で語れないトップなんて、「AIでええんちゃう?」ってなるでしょ。
逆に「自分の言葉で語れない人がトップの方がいい」って会社もあるのかもしれませんけど。

*次回に続きます。
*本記事は、株式公開後も精力的に発展を目指す“ポストIPO・スタートアップ”を応援するシニフィアンのオウンドメディア「Signifiant Style」で2017年10月11日に掲載された内容です。

朝倉祐介 シニフィアン株式会社共同代表
兵庫県西宮市出身。競馬騎手養成学校、競走馬の育成業務を経て東京大学法学部を卒業後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。東京大学在学中に設立したネイキッドテクノロジーに復帰、代表に就任。ミクシィ社への売却に伴い同社に入社後、代表取締役社長兼CEOに就任。業績の回復を機に退任後、スタンフォード大学客員研究員等を経て、政策研究大学院大学客員研究員。ラクスル株式会社社外取締役。Tokyo Founders Fundパートナー。


村上 誠典 シニフィアン株式会社共同代表
兵庫県姫路市出身。東京大学にて小型衛星開発、衛星の自律制御・軌道工学に関わる。同大学院に進学後、宇宙科学研究所(現JAXA)にて「はやぶさ」「イカロス」等の基礎研究を担当。ゴールドマン・サックスに入社後、同東京・ロンドンの投資銀行部門にて14年間に渡り日欧米・新興国等の多様なステージ・文化の企業に関わる。IT・通信・インターネット・メディアや民生・総合電機を中心に幅広い業界の投資案件、M&A、資金調達業務に従事。


小林 賢治 シニフィアン株式会社共同代表
兵庫県加古川市出身。東京大学大学院人文社会系研究科美学藝術学にて「西洋音楽における演奏」を研究。在学中にオーケストラを創設し、自らもフルート奏者として活動。卒業後、株式会社コーポレイトディレクションに入社し経営コンサルティングに従事。その後、株式会社ディー・エヌ・エーに入社し、取締役・執行役員としてソーシャルゲーム事業、海外展開、人事、経営企画・IRなど、事業部門からコーポレートまで幅広い領域を統括する。