一般道路を走って飛行場に到着したら空へ
通称「空飛ぶクルマ」の実態とは?
自宅の駐車場から一般道路を走行、飛行場に到着したら羽根を広げて空を飛ぶ。日本でも「Flying Car(空飛ぶクルマ)」として最近、度々テレビに登場している乗り物。正式名称を、Terrafugia社の「The Transition」(ザ・トランジション)という。
同社は2006年、MIT(マサチューセッツ工科大学)の大学院卒業生らのグループが中心となり創業。「空飛ぶクルマはビジネスになる」という単純な発想を商品として具現化した。
昨年、同製品のテスト飛行映像がYou tubeで話題となって以来、日本の各メディアが同社へ取材の申請をしてきた。しかし、企業機密保持を理由に取材の許可がおりなかった。
そして2012年4月4日、ニューヨークモーターショーのプレスデーに、「The Transition」が初めて公の場で展示され、同社関係者がメディアの取材に応じた。
同社が公表している、「The Transition」の製品概要は次の通りだ。
飛行機としての大きさは、全長x全幅x全高=6m×8m×2m。クルマとして地上走行する場合、主翼を折り畳んだ状態での全幅は2.3m。
エンジンはカナダ・ボンバルディア社傘下の独BRPパワートレイン社のロータックス912US型。排気量1352ccのハイオクタンガソリン仕様だ。燃料タンク容量は87リッターあり、満タン状態で787㎞連続飛行できる。飛行中の最高速度は185km/h。巡航飛行する場合の最高速度は若干落ちて172km/になる。またストールと呼ばれる、主翼の揚力が十分でなくなり失速してしまうギリギリの飛行速度が83km/hとした。