星野代表が最も注力してきた仕事とは…
「『人を活かす』ための環境づくり」――星野代表が最も注力してきた仕事の1つだ!(写真撮影:長谷川博一)

要約者レビュー

 国内外に約40もの宿泊施設をもつ星野リゾートは、ほかでは体験できないユニークなイベントやプログラムが楽しめるホテルとして人気を集めている。地域の魅力を活かしたおもてなしを提供するこのホテルに、誰もが一度は泊まりたいと夢見ることだろう。しかし、その強さの秘訣や組織の仕組みまではまだまだ知られていないのではないのだろうか。

トップも知らない星野リゾート 「フラットな組織文化」で社員が勝手に動き出す
『トップも知らない星野リゾート 「フラットな組織文化」で社員が勝手に動き出す』
前田はるみ&「THE21」編集部、 238ページ、PHP研究所、1500円(税別)

 4代目の経営者である星野佳路代表は、運営に特化した経営方針を打ち出し、星野リゾートを全国展開するリゾート運営会社へと成長させた。星野代表が最も力を注いできた仕事の一つに、「『人を活かす』ための環境づくり」が挙げられる。彼が作ってきた「フラットな組織文化」があるからこそ、従業員はやる気を出し、自主性を持ち、現場が意思決定できる体制が構築されたのだ。本書『トップも知らない星野リゾート 「フラットな組織文化」で社員が勝手に動き出す』では、そんな星野リゾートの「フラットな組織文化」をあらわす10のストーリーが紹介される。そのうえで、「人を活かす」とはどういうことなのか、一人ひとりの個性や能力を活かすことによって、どのように企業の競争力が強化されるかを読み解いていく。

 本書には、年齢やポジションに関係なく言いたいことを言い合える環境、従業員に成長する機会を与え強みを伸ばす仕組みなど、星野リゾートという組織の魅力が存分に散りばめられている。マネジメントをする立場にいる人はもちろんのこと、すべてのビジネスに携わる人にとって大いに参考になるだろう。 (山下あすみ)

本書の要点

(1) 星野代表は、各ホテルが提供するアクティビティに関して意見は言うが、最終決定は現地スタッフに委ねている。
(2) 世代や性別、部門、ポジションの垣根を越えたメンバーがフラットに議論することで、新たなアイデアが生まれる。
(3) 星野リゾートでは、入社2年目以降の社員であれば誰でもリーダーや支配人に立候補できる。立候補者は、組織運営の目標や戦略を全社員に向けて発表する「立候補プレゼン」を行い、社員の評価をもとに判断される。