ニュースな本写真はイメージです Photo:PIXTA

子どもに失敗してほしくないという親心が強くなるほど、つい先回りして手を差し伸べてしまいがちだ。たが、子どもが本当に育つのは、失敗しながらも問題解決力をつけ、自分の「好き」を見つけたとき。では、親はどこまで関わり、どこから見守るべきなのか?※本稿は、小宮山利恵子『好奇心でゼロからイチを生み出す「なぜ?どうして?」の伸ばし方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

「失敗は悪いもの」という
思い込みを親子ともに捨てる

 失敗すると、次はどうすればうまくいくか考える問題解決能力が鍛えられます。

 東京大学の教育心理学研究でも、失敗経験がその後の問題解決行動に積極的な影響を及ぼすことが示されています。

 しかし、大人になって責任ある仕事を任されるようになると、失敗が許されなくなっていきます。だからこそ、まだ社会人ではない成長期にたくさん失敗して、課題解決スキルを育んだほうがいいのです。

 日本人は失敗に対する恐怖心が世界的に見ても強く、「何でも完璧にこなさなければいけない」「失敗したらダメな人間だと思われる」という意識が根強いです。

 大人がそれほど失敗を恐れているから、子どもも「失敗はダメなもの」と思い込んでしまうのです。

 そのため、失敗は悪いものという思い込みを、大人だけでなく子どもにもいかに早く捨てさせるかが重要です。失敗しない道を探して石橋を叩いて渡ろうとしても、時代の変化にともなって橋を渡る必要がなくなることもあります。

 30%くらい「こうしたほうがいいかな」と思ったらすぐに動きはじめ、動きながら軌道修正を繰り返したほうが、成果に結びつきやすくなります。