「上げ潮ムードに、突然冷や水を浴びせられた」。中国の太陽光パネルメーカー幹部は、そう心境を吐露する。
変化は突然訪れた。5月28日から3日間、中国・上海で太陽光発電関連の展示会が開かれた。参加者の一人は、その日はまだ「会場は熱気に包まれ、中国の勢いは衰えていないと感じた」と振り返る。
国際エネルギー機関・太陽光発電システム研究協力プログラム(IEA PVPS)によれば、昨年の太陽光発電システムの年間導入量は世界全体で98ギガワット。それに対し、中国が53ギガワットで54%を占めた。累積導入量でも、世界全体の400ギガワットに対して中国は131ギガワットで33%を占めている。
2013年以降、中国は導入量で世界一の座を保持し、生産でも中国メーカーが台頭。太陽光バブルともいえる市場を演出する中心的役割を中国は果たしてきた。
背景には、太陽光発電の電気を、補助金を使って固定価格で買い取る制度(FIT)の存在がある。日本でも12年からFITを導入し、累積導入量で世界3位になるなど太陽光発電が急速に普及した。