シリコンバレーがバブルではなく、新たな高度成長期に入った理由
今回のシリコンバレーの好景気は、以前のようなバブルではないというのが大方の見方だ。それはなぜだろうか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 今、シリコンバレーは空前の好景気だ。人もオフィスも足りていない。

「こんなこといつまで続く─シリコンバレー・ブルース」と題した私のインタビュー記事がある。そこで私はこう答えている。

「高速道路の混雑がひどくなっています。なにしろ景気がいいのです。どんどんスタートアップ企業が会社を興しています」「優秀な技術者の取り合いで、大変なことになっています」

 種を明かすと、この記事は18年前の2000年4月17日号の『週刊朝日』に掲載された人気コラム、「船橋洋一の世界ブリーフィング」からの抜粋だ。

 私はこの記事の最後で、「こんなこと長くは続かないと、みんな知っているんです。だから、いまのうち、これに乗り遅れるなと、すさまじい熱気になっているのです」と話している。

 ただ皮肉なことに、雑誌が発売されたちょうどその週に、米ナスダック市場が25%暴落し、「ドットコムバブル」の崩壊が始まったのだった。

 しかし、今回のシリコンバレーの好景気は、当時のようなバブルではないというのが大方の見方だ。「こんなこと長くは続かない」と思っている人は、今回は少ない。それは、好景気を演出している主役企業が、実体のある新興大企業だからだ。

 例えば、FAANGという“新興”大手企業は巨大な富を蓄え、未来への投資を続けている。実体のないバブルに投資が集まっているわけではない。FAANGとは、フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字を取った新しい株価指標で、この5社の企業価値は300兆円以上。アマゾン以外は全てシリコンバレーに集まっている。