2016年3月、「アルファGo」が、世界トップ棋士のイ・セドル氏(右)に勝利しました。
2016年3月、「アルファGo」が、世界トップ棋士のイ・セドル氏(右)に勝利。左はディープマインドのデミス・ハサビスCEO 写真:新華社/アフロ

 今AI(Artificial Intelligence、人工知能)の話題が盛り上がっている。ただ、メディアでは「AIでどの仕事が奪われてしまうのか?」といった、AIによるイノベーションよりも、それによって生まれる“被害者”に焦点を絞った記事が多いのは残念だ。もっと主体的に考えられないものか。

 AIは、第2次世界大戦直後から研究が活発化したが、実用的な成果を出せず、研究は下火となっていた。しかし、インターネットの普及でユーザー行動や事業運営上のデータが一気に増え、研究が加速。並行して、アルゴリズムの革新も進んだ。例えば、米グーグルの子会社、ディープマインドが開発した囲碁対戦用AI「アルファGo」に代表される「機械学習」、とりわけ「ディープラーニング(深層学習)」がAIの普及に拍車を掛けた。ディープラーニングは、専門家から学習する機械学習を進化させ、大量の画像データなどから、機械が自動的に特徴量を抽出して学習する革新的な技術だ。専門家によれば、このようなアルゴリズムの進化はなだらかで、戦後70年を経てやっと使える領域に来たものだという。

 だが、それでも話題先行で実用性が乏しく、まだまだ一般に知られることはなかった。

 それが変わったのが2016年。アルファGoが、プロ囲碁棋士に勝利したのだ。これで、AIは一気に世界のテクノロジーシーンの主役に躍り出た。