「ハロー効果」を意識して
上司を納得させる会話を展開する

 産業カウンセラーとして、さまざまな立場にあるクライアントから相談されるのが、人事評価が不明瞭であることに対する不満や不安です。

 部下にとっても、上司の好みや考えに自身の評価が左右されるのは最悪なことですし、避けたいですよね。

 部下にそうした思いをさせないために、管理職の皆さんに覚えておいていただきたいのが、人事考課制度で上司が陥りやすい傾向の一つ、「ハロー効果」です。

 ハロー効果とは、自分が感じる相手への全体的な印象が、評価に影響してしまうことです。具体的には、ある一部の印象(社交的、明るいなど)をその人の全般的な印象として捉え、それをもって自分が尊重する特性(コミュニケーション能力が高いなど)に関して優れている、あるいは劣っていると判断、ひいてはきっと他の特性も優れている、もしくは劣っていると評価してしまうのです。

 今回のケースで言えば、上司MさんはAさんの一部だけを見て、Aさんの「全てが悪い」と評価しているわけです。

 では、上司Mさんを納得させるために具体的にはどうすべきなのか、会話から学んでいきましょう。

Yマネジャー 「次のプロジェクトでは、A君を現場リーダーにしたいと考えています」
上司M 「なに言ってんだよ、Aはいつもヘラヘラして、リーダーなんて任せられるのか?次のプロジェクトは固いイメージのお客様先だし、絶対トラブル起こすぞ!」
Yマネジャー 「ヘラヘラして見える部分に問題はありますが、そこは、前もって指導します。今回のプロジェクトリーダーに最も求められる資質は、他社メンバーともやっていけるコミュニケーション能力の高さです。A君のコミュニケーション能力の高さは社内でも評価が高いのは、ご存じかと思います」
上司M 「まぁ、確かにそれは知ってるよ。ちゃんと指導してトラブルだけは回避してくれよ」
Yマネジャー 「承知いたしました。しっかり指導しながら、彼のコミュニケーション能力を現場でしっかり発揮してもらい、プロジェクトの成功へ導きたいと思います」