どんな上司かによってベストのコミュニケーションのとり方は異なります。また、同じ上司でも、そのときの感情、その場の雰囲気、話の内容などによって、アプローチの仕方は微妙に変化するものです。
これまで紹介したコーチングアップの方法も、仮に同じようなタイプの上司だったとしても同じ使い方をするのではなく、あくまでも基本的なパターンとしてとらえ、あなたの上司とのコミュニケーションのなかで、さまざまな組み合わせをしながら活用することが必要です。
そこで今回は、コミュニケーションのスタイルを大きく「春」「夏」「秋」「冬」の4つに分類し、より使いやすい形でコミュニケーションのバリエーションを増やすヒントを紹介しておきましょう。
もちろん、四季のとらえ方は人によって違いがあるでしょうが、このように分類することによって、自分がどのようなコミュニケーションのスタイルをとっているかが、わかりやすくなってくるはずです。
心のこもった言葉で
上司のやる気を引き出す
(1)春の質問
英語の「Warm」という言葉には、温かい、心のこもった、などの意味が含まれていますが、春の表現は、まさに春風が木々を芽吹かせるように温かで、相手の心に自然に受け止められるような心のこもった表現といえます。
そして、それは同時に、可能性や相手のやる気を自然に引き出すような表現といってもよいでしょう。つまり、相手の可能性に光をあてて、相手の「できる」「やれる」という気持ちを引き出していくような伝え方です。
(活用例)
「これだけ成果が上がったのは、部長の交渉が効を奏したからですよね」
「○○課長とでしたら、この困難を乗り越えられると思うんですけれど、どうでしょう」
「この成果を次につなげていくことができるように思うんです」
「それなら、先方に係長の誠意が伝わったということじゃないですか」
「もしよかったら、ほかのやり方を見つける作業に参加させていただけませんか?」
熱い情熱と激しい愛情で
相手のエネルギーを高める
(2)夏の質問
じめじめとした梅雨が明け、まぶしい太陽の下、開放的で情熱と活力に満ちているのが、夏の季節です。コミュニケーションにおいては、夏の表現は、まさに情熱や気合い、激しい愛情を持って相手のエネルギーを高めるような伝え方といえます。