人はなぜ「疲れる」のか?本当に疲れを取るために、やっていいことと、いけないことは何か?全米でベストセラーとなった『EAT FOR ENERGY』の著者、アリ・ウィッテン氏にコツを聞いた。(国際ジャーナリスト 大野和基)
疲れを取るために最もやってはいけないこと
――多くの日本人が毎日、満員電車に揺られて通勤し、ハードワークで疲れ果てています。あなたが近著『回復人 体中の細胞が疲れにつよくなる』(サンマーク出版)で読者に最も伝えたかったことは何ですか。
多くの人がもっと理解すべき重要な考えとして、我々のエネルギーレベルはミトコンドリアによってコントロールされているということが挙げられます。ミトコンドリアは細胞内の「小さな発電所」で、炭水化物や脂肪を取り入れ、ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質を産生する、細胞器官です。ミトコンドリアが強力できちんと機能していれば細胞レベルで多くのエネルギーを産生しますが、さまざまな理由でそうではない場合、感じるエネルギーレベル は低く、疲れを感じます。つまり、疲労はミトコンドリアを中心として発生するのです。
――それでは、疲れを取るために最もやってはいけないことは?
疲労はミトコンドリアの機能障害から起きます。その原因は複雑です。我々の環境、食事、ライフスタイル、行動の全てが、細胞レベルでどれくらいのエネルギーを産生しているかに影響します。その中で、人が最も勘違いしている例を挙げましょう。