「毎日ラーメン二郎」から逃げ出した私が、それでも二郎が最強と確信するワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

ニンニクヤサイマシマシアブラカラメ! まるで呪文のような注文方法で知られる「ラーメン二郎」。ジロリアンと呼ばれる熱狂的なファンを抱え、「二郎系」という一大ジャンルを築き上げたラーメン二郎の魅力の源泉はどこにあるのか? 凡百のラーメン店との違いを考察する。(イトモス研究所所長 小倉健一)

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「毎日ラーメン二郎」鬼デスクの指令

 大盛りの太麺に、麺が隠れるぐらいの山盛りのキャベツともやし、ニンニク、背脂、醤油がトッピングされたラーメンで有名な大繁盛店といえば、「ラーメン二郎」だ。

 2010年当時、プレジデント編集部に在籍していた私は、当時のデスク(企業でいう管理職)に「ラーメン二郎を毎日食べながら、経営学的な観点から繁盛している秘密を解き明かしてくれ」という指示を受けた。

 わざわざ毎日行かずとも、シンプルにラーメン二郎の繁盛の秘密を経営学的に解き明かせばいいのではないかと疑問を抱いたが、若手の私に取材方法への異論を差し挟む余地はなかった。結局、毎日ラーメン二郎を食べながら取材を進めることになった。

 取材初日、神田神保町店に向かった。店内はカウンター席が10席のみ。「小ラーメン、ニンニクあり」(当時の値段は650円)を頼んだ。麺とスープの上に積まれた野菜の山は高すぎて、今にも崩れそうだったことを覚えている。野菜をいくらどかしても、スープがなかなか見えてこない。