虫や野鳥が入り込む、床を水で洗い流せない…。築地市場からの移転予定まで100日を切った豊洲新市場。2年前から指摘されながら解決しないままの信じがたい欠陥や、新たに生じた課題が山積する中、計画どおりの移転は本当に可能なのか。豊洲市場が抱える5つの問題点を指摘する。(「週刊ダイヤモンド」編集部 岡田 悟)
巨大なマグロや、海産物を入れた発泡スチロールの箱を満載して行き交うターレットトラック(ターレ、電動の小型運搬車)。威勢の良いセリの掛け声――。東京の胃袋・築地市場が江東区の豊洲新市場に移転するまで、7月4日で100日を切った。
2016年夏に小池百合子東京都知事が就任して以来、地下に「盛り土」がなかったとか、地下水や土壌の汚染が残っていたとか、次々に話題が吹き出しメディアをにぎわせ続けた。あれから2年。
築地市場の日常は冒頭のように、従来と変わらない。ある仲卸業者の男性は「10月に移転すると言われても、まるで実感がないんだよなあ」と話す。
それもそのはず、「機材などの引っ越しの具体的な計画について、引っ越し業者から何の連絡も相談もない」(前出の仲卸業者)。
加えて、本誌がこれまで指摘してきたように、地下水の汚染の拡大を防ぐ「追加対策工事」では解決できない問題が今なお残っているほか、業者の「使い勝手」を豊洲においても確保するための手立てが、7月6日現在においても、まるで取られていないのが現実だ。
さらに、建物の構造に由来する根本的な欠陥が残されたままであり、移転再延期やむなしとの見方も強まっている。
移転“予定”まで100日を切った今、改めて問題点を列挙してみよう。