前職での成功パターンを踏襲する
また、自分が転勤を命じられ、これまで経験のない新しい部署に配属されたときのことを考えてみよう。
もちろん引き継ぎを受けることになるが、多くの会社では、半日ぐらいで簡単に引き継ぎが終わってしまう。何となく、仕事の全体像がつかめたなという程度である。
そして、いきなり翌日から一人で仕事をやっていかなければならなくなる。 もし、あなたがそれまで企画部だったのに、突然営業部に配属された場合、どうしたらいいだろう。ターゲット顧客の選定、アプローチの仕方、提案書の書き方、価格設定、受発注のプロセス等、まったくわからない。
こんなとき一番手っとり早いのは、前任者の作った書類を見て、周りの人に聞いて、やってみることだ。これだけやれば、なんとか前任者並みのことはできる。
しかし、自分が担当になったからには、前任者のやり方を上回りたい。そのときはどうしたらいいのだろうか。
そんな場合は、あなたが企画で仕事をしていたときのことを思い出す。どうやって、自分の特色を出したのかを。
あのときは、それまで企画部が十年一日のごとく同じやり方でやっていた中期計画を、友人のコンサルタントから教えてもらった米国企業のやり方を取り入れて、改善できた。
そのポイントは時間をかけて行った市場環境のスタディー(調査)だった。
つまり、「事実に基づいて計画を立てる」という考え方を取り入れたのだ。 だから、営業にも同じ方法が活かせるのではないか。
自分の担当するマーケットの調査をかけてみたらどうだろうか。お客様の意見をうかがってみたらどうだろうか。お客様の本音を集めて、それを満たすように今の営業手法を改革していくのがいいのではないか、というように考えていくのである。
アナロジー(類推)をうまく使えれば、いろいろな新しいことにどんどん応用していくことができるので、皆さんも、ぜひ、その使い方を学んでほしい。
(つづく)
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