「STEP」と名付けたこのビジョンは、スピード(Speed)感を持った取り組みで、信頼(Trust)を取り戻すとともに、お客様に“共感(Engagement)”していただける、“安心と愉しさ(Peace of mind & enjoyment)”という価値を提供する、というものだ。

 商品戦略は、主力車種のフルモデルチェンジを毎年実施し、スバルの得意とするSUVとスポーツモデルのラインアップの拡充を進めていく中で、本年中にプラグインハイブリッド車の投入に続き、新設計水平対向DSTエンジンと電動化の組み合わせやEVのグローバル投入などを計画。また、デザインの方向性については「スバルのデザイン理念のフィロソフィー“ダイナミック・ソリッド”の考え方は不変として、より大胆な方向へ進化させていきたい」(中村社長)とする。

 トヨタとの提携では、EV基盤技術の共同開発を始めとした電動化拡大に向けた協業や、コネクティッド、セキュリティ等の新世代技術領域における連携強化や86&BRZの共同開発、クルマ文化情勢に繋がる取り組みやイベント共催を進めていく。その中で、スバルの経営や商品の独自性は活かしつつ、“もっといいクルマづくり”と“モビリティ社会全体の変革への対応”において協業を協力し合う方向だ。

 グローバル戦略については、集中戦略を軸とした持続的成長の観点の下に米国シェア5%に挑戦し、アジア・ロシア・豪州での販売網の拡大を目指す。目標は2018年度の110万台から2025年度に130万台(18%増)に増やす計画だ。

中村社長が重視する
「新SUBARUづくり活動」

 中村社長は、この新中期経営ビジョンで「新SUBARUづくり活動」を重視する。この活動とは、いわゆる“モノづくり”にとどまらず、商品・サービス全般までを対象に含む言葉とし、高品質を基軸に商品戦略・技術戦略・ものづくり戦略・高付加価値・低コスト&高効率投資をスバルのエンブレムである“六連星(むつらぼし)”に組み込んで全分野一貫で相互に連携していく。

 また、スバルの“売り”でもある安全安心の取り組みについては、「人の命を守る」ことにこだわり、高度運転支援システム「アイサイト」の進化も含めて2030年に死亡事故ゼロを目指す。スバルのスタンスは、自動化ありきではなく、人の得意なタスクを尊重して苦手なタスクを補い、安全に移動するものとする。同社の方針は、2024年に高速道路、一般幹線道路でレベル2以上(加減速や車線変更などをシステムが行うレベル)を実施する計画だ。

 コネクティッドカー(つながるクルマ)については、一人ひとりのユーザーと向き合って共感していただくために「つながる技術」や「データ」を活用し、外部パートナーと新たなお客様価値を協創していく方針である。同社のコネクトとしては、米国ですでにスタートしている「スターリンク」を順次、グローバル展開していく。将来のサービスプラットフォームの進化・拡充は、主要市場の米国・カナダ、日本で2022年までに8割以上の新車をコネクティッドカーにしていく目標だ。