スバルは5月にドイツ・ニュルブルクリンクで開催された「ニュルブルクリンク24時間レース」のSP3Tクラス(排気量2リットル以下のターボ車部門)で、2011年以来通算5度目のクラス優勝を果たした。スバルの同レースへの参戦は2008年からであり、今年で10年。スバルが同レースにこだわり続ける理由とは。(取材・写真・文/ライター・フォトグラファー 雪岡直樹)
ニュルブルクリンク24時間レース
スバルは5度目のクラス優勝
ニュルブルクリンク24時間レースというレースをご存じでしょうか?
ドイツ・ニュルブルクにある「ニュルブルクリンク」サーキットは、F1などを開催するグランプリコースと、ドイツの広大な森の中に広がる『ノルドシュライフェ』と呼ばれるオールドコースから成ります。全長約25km、コーナーの数170以上、高低差は300mにも及ぶこのコースで、24時間走り続けるのがニュルブルクリンク24時間レースです。
「世界最大の草レース」とも言われ、元々は地元の草レースだったのが、徐々に参加台数が多くなり、今では有名自動車メーカーが威信をかけて勝利を手にするようになってきました。2018年は約150台の参加マシンがあり、メーカーの威信をかけたワークスマシンから、自分が手がけたマシンで挑戦するなど、多くの参加車が世界から集まってきます。
ニュル24時間レースの特徴ともいえるノルドシュライフェは、一般の峠道のように路面は荒れ、ギャップも激しく過酷な路面が果てしなく続いているコースです。過酷な路面が続くからこそ、世界の自動車メーカーは実験車両を持ち込み、日夜車両開発の場所として活用し、ここである程度走れる車に仕上がれば、「世界の大抵の道で高速から低速までしっかりとした車に仕上がるだろう」として活用しているサーキットでもあります。また一般の人でも開放日にサーキットチケットを買えば、普通の車でもサーキットを体験できることでも有名です。