北朝鮮を巡る
今後の展開予想

 北朝鮮が核開発をあきらめる可能性は極めて低い。金委員長にとって、核のカードを持たないということは、丸腰で米国をはじめとする強国との交渉に臨まなければならないことに他ならない。それは避けたいはずだ。金委員長が、核放棄を真剣に考えることはできないだろう。結果的に、北朝鮮は核開発を続けることになり、これまでと状況は変わらないだろう。

 短期的には、北朝鮮が米中などの政治的な勢いに乗って時間を稼ぎ、一段と体制が強化される可能性がある。米国などの国際社会からの制裁が緩和・解除されるとともに、北朝鮮の経済力は高まるだろう。すでに韓国のロッテグループや通信最大手KTは北朝鮮への投資戦略を検討し始めている。

 その中で核開発が進むことは、北朝鮮が国際社会にとってのより大きな脅威となりうることを意味する。実際にそうなれば、北朝鮮を脅威と考える国は増えるだろう。その状況を米国が問題視し、制裁などが強化される展開が想定される。その結果、これまでと同じパターンが繰り返されるだろう。

 長期的に考えると、北朝鮮の抱える矛盾が解消されるか否かがポイントだ。金委員長が独裁・強権体制を維持することと、国際社会から体制維持への理解を取り付けることは矛盾している。それは両立不可能だ。独裁体制を維持しようとすればするほど、北朝鮮は世界各国の脅威になるはずだ。

 おそらく、北朝鮮自らこの矛盾を解消しようとはしないだろう。米国との直接対峙を避けたい中国の思惑も、北朝鮮の体制転換を妨げる要因だ。それがわかっているから、北朝鮮は核のカードを保有し続け、強権体制の維持を目指している。

 この結果、核への脅威などを理由にした国際社会による制裁を受けて、どこかで、北朝鮮自らつまずく展開が考えられる。現在の状況が続くのであれば、国際社会は北朝鮮の独裁体制が内部から弱体化し、維持が難しくなる展開を期待し続けることになるだろう。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)