>>(上)より続く

男の性を「みっともない」と
思わないでほしかった……

「僕以外にも、僕と同じような夫婦間の性の悩みを持っている男性って世の中にたくさんいると思います、『妻が相手をしてくれない』といった。でももし奥さんが旦那さんの性についてもう少し理解を示してあげていたら起こっていなかったであろう不倫っていうのも、それなりにあると思うんです。

 性の問題はデリケートなので強引にやれば夫婦間でも強姦になってしまいます。夫と妻双方の気分が等しく盛り上がっている時に行われるのが理想的なんですが、動物的にはきっと男性の方が発情している状態が頻繁に来ると思うのでなかなかそうもいかない。女性の性への気分は繊細ですから男性はそこを気遣うべきですし、妻は出産したら今度は過酷な育児が待っていて夫の相手をしている余裕を作るのは難しい、というのも理解しているつもりです。

 しかし、そもそも『男性が発情している状態』が、女性から『みっともない状態』と扱っていいとされていることに違和感を覚えます。大げさに表現するなら『発情している男性は愚かで下劣』といったような。確かにみっともないかもしれませんが、こっちは好きでそうなっているわけではないし、お腹が空くのと同じで、切実なんです。妻に拒絶される時、冷ややかな口調で『ムリ』とか言われたら、結構自尊心が傷つきます。面倒なことを申し出ているのは自覚しているつもりなんです。これが優しい感じで『ごめんね。今日はムリ』だったら話は全然違う。

 妻はもう少し性の話を理解してほしかった。もちろん自分も彼女の気持ちをもっと聞くべきだったかもしれないけれど……。双方があっての“夫婦”なのですから。しかし男性の発情が『意に介さず切り捨ててオッケー』だったらあまりにも切ない。みっともない見かけのものだからといって尊重されなくてもいいのでしょうか?

 とはいえ、『妻のせいで不倫した』とは絶対に言いたくありません。不倫は僕の自己責任のもとにおいて行われているもので、悪いのは僕です」

 覚悟を固めている姿勢は立派に思えなくもないが結局は不貞を働いているわけであり、罪のない子どもに被害が及ぶ可能性さえ十分にある。彼に「夫婦とは」といったことを述べる権利はあるのか、ないのか。

「上手に遊べる人だけ遊んでいい」
遊び人が展開するスマート?な持論

 Bさん(38歳男性)は若い頃から諸事につけて要領がよく、上手に学んで上手に遊んできた。彼女がいても当たり前のように浮気を繰り返していたが、それが交際相手に知られたことは一度もなかった。