市場では、4-6月期の経常増益率は対前年同期比で1桁台と見込まれています。足元では円安・ドル高の水準となっており、業績の上振れが期待されます。業績が上方修正された企業数から下方修正された企業の比率を差し引いたものをリビジョン・インデックスと言い、株式市場では注目されていますが、これが6月中旬以降上昇に転じました。今後も、業績改善の勢いが続くかどうかが注目されます。

 ちなみに、2018年度、19年度の経常利益の伸び率を市場予想ベース見ると、東証1部上場企業の場合、1桁増益となっています。なお、小型株は2年連続で2桁増益とより堅調な利益成長が予想されています。

米中貿易摩擦が日本の企業活動に
与える影響は限定的か

 今後の企業業績の動向を検討する参考として、米中貿易摩擦が日本企業の生産に与える影響を試算しました。

 米国が2500億ドル相当の中国からの輸入品に制裁関税をかけ、中国は1300億ドル相当の米国からの輸入品に制裁関税をかけて、関税の対象になった生産活動が関税率分だけ低下すると仮定すると、日本の全産業で生産が▲0.02%減少するとの結果になりました。

 間接的な効果を加えればさらに影響が強まること、試算で利用したデータは2014年のものですが、その時と比べて中国経済が拡大していることなどから、影響の大きさを10倍としても▲0.2%の影響にとどまります。

 一般的に懸念されているよりも随分影響が小さいと思われますが、これは関税のかけあいが2国間でとどまっているためです。この場合においては、日本企業の活動への影響は限定的と言えそうです。

企業マインドと企業業績の改善モメンタムに注目

 なお、上の試算では、企業が投資を手控えることを前提に入れていません。不確実性が高まれば企業のセンチメントが悪化し、生産や投資が手控えられてしまう可能性が高まりますが、その場合、影響はさらに大きくなります。米中間選挙まで、米国の保護主義的な通商政策がどの程度日本の企業マインドに影響するのか、企業業績の改善モメンタムは続くのか、といった点に注意を払う必要がありそうです。

(三井住友アセットマネジメント 調査部長 渡辺英茂)