新線計画の“生みの親”
交通政策審議会の答申

 都市鉄道ネットワークは、国土交通大臣の諮問機関である「交通政策審議会」の答申をふまえて整備されることになっており、審議会に設置された学識経験者を中心とする小委員会において、混雑緩和や速達性向上の観点から今後の都市鉄道のあるべき姿が審議されている。

 2000年の前回答申で示された計画では「東京メトロ副都心線と東急東横線との直通運転」「成田スカイアクセス線」「上野東京ライン」「小田急小田原線複々線化」「相鉄とJR横須賀線・東急線との直通運転(東部方面線)」などが整備すべき路線として示され、実現している。

 最新の答申は2016年4月に行われており、前述の羽田空港アクセス線など4路線5区間はいずれも「国際競争力の強化に資する」または「豊かな国民生活に資する」都市鉄道プロジェクトとして位置付けられてた。東京都も2015年7月に発表した「広域交通ネットワーク計画」で4路線5区間を「整備について優先的に検討すべき路線」と位置づけており、現在の首都圏の新線計画の中で最も実現に近い路線とみて間違いないだろう。

 最終的に実現に向けた最大のハードルは、とにかく費用負担の問題だ。都心の地下に鉄道を建設するには1kmあたり300億円が必要となる。国や自治体による補助金や無利子借入などを活用して、収支採算性が確保できる事業スキームを構築できるか否かで、鉄道路線の運命はほぼ決するのである。

 東京都は鉄道整備の財源として活用するために、今年から東京メトロの株式配当の累計約620億円を原資とする「鉄道新線建設等準備基金」を設置するなど、資金面での具体的な準備も進み始めている。2030年までに完成を目指すのであれば、あと2年が勝負となる。長いようで短い助走期間に注目したい。