高齢者の熱中症は住居内でも多い
高齢者の熱中症は住居内での発生が多い(写真はイメージです) Photo:PIXTA

暑い日が続き、熱中症で救急搬送される人も増えている。こうした熱中症患者の約半数は温度や湿度に対する感覚が鈍くなっている高齢者であり、発生現場の大半が屋外ではなく、住居内なのである。高齢者の熱中症対策には、単なる呼びかけではなく、ちょっとした工夫も必要だ。(医療ジャーナリスト 木原洋美)

高齢者の熱中症対策には
「ちょい足し」が必要だ

 全国の熱中症による週別の救急搬送状況がとんでもないことになっている。消防庁が発表している熱中症情報によると、6月24日までは、多い週でも1000人以下だったのに、6月25日~7月1日の1週間で一気に3473人に達してしまった。前年同期の1221人との比較でも、3倍近く増えていることになる。

 直近の1週間、7月16日~7月22日の全国の熱中症による救急搬送人員も2万2647人(速報値)と2万人を超え、前年同期の7196人(確定値)の3倍以上になっている(総務省消防庁 熱中症情報より)。

 搬送された人の内訳は、週によって微妙に異なるが、65歳以上の高齢者が全体の約5割を占めており、18歳以上65歳未満の成人が3~4割、7歳以上18歳以下の少年が1~2割と続く。発生場所は、住居がトップで3~4割、道路と公衆(屋外)を合わせた数は3割程度だが、高齢者では住居での発生が5割を超えていることが分かっている。2016年の厚生労働省人口動態統計では、死亡者のうち家庭が38.8%を占めており、家庭で発生する高齢者の熱中症に対する対策の必要性は本当に高い。

 だから、厚生労働省も消防庁もマスコミも、繰り返し、高齢者への注意喚起を促しているわけだが、あまりにもマンネリ化しているようで、効果が上がる気がしない。これらを見ると、ほぼ下記のような内容なのだが、普通過ぎるだけでなく、高齢者の特性に考慮したアドバイスが入っていないのが気になる。

『高齢者の方は特に注意が必要です!
熱中症患者のおよそ半数は高齢者(65歳以上)です。高齢者は暑さや水分不足に対する感覚機能が低下しており、暑さに対する体の調整機能も低下しています。
室内でも、外出時でも、のどの渇きを感じなくても、こまめに水分・塩分、経口補水液※などを補給し、暑さを感じなくても扇風機やエアコンを使って温度調整をするように心がけましょう。※ 経口補水液とは、食塩とブドウ糖を溶かしたものをいいます。』