先のコラーゲン鍋のネタを使ってみましょう。以下のように、相手に相槌を促すような質問も加えながら「間」をとります。

「コラーゲンがタンパク質の一種だって知ってる?(1秒) そもそもね、他の動物と人のコラーゲンは別物なんだ。(1秒) だから、身体に取り込んだコラーゲンのようなタンパク質はバラバラのアミノ酸にまで分解されちゃって、その後、身体の隅々に吸収されるんだよね。(1秒) しかも、僕たち人間のコラーゲンができる量には限度があってさ。(1秒) だから、食べたコラーゲンはそのまま吸収され、キミたちの肌になるってことは絶対にないんだよね。(1秒) だって、キミたちが今食べている鶏のからあげ。これまでの人生でずっと食べ続けてきていても、キミたちの身体は鶏肉になってないでしょ?(2秒) つまり、コラーゲン鍋を食べまくっても、すぐに肌がプルプルになるってことはなく、単なる思い込みなんだ」

 確かに、これでもまだ話のセンテンスは長く、会話とは言い難いかもしれません。ただ、会話が苦手だったり一方的に説明せざるを得ない状況だったりする場合、このように意図的に情報の整理をしてもらったり、考えさせるための「間」をとったりすることで、聴き手を前のめりにさせ、自分の説明に参加してもらうように仕向けるのです。

聴き手の記憶に残りやすくする方法

 最後に(3)の「リピート」です。これは単に、説明を何度も繰り返すという意味ではありません。

 相手に“これだけは理解してもらいたい”箇所のフレーズをリピートするのです。なぜならリピートすることで、聴き手にメモしてもらえる機会も増えますし、何よりも聴き手の記憶に残りやすくなるからです。こちらがリピートすると、聴き手の記憶は短期記憶から長期記憶に移動しやすくなるのです。

 例えば、冒頭でお話ししたように、「コラーゲンの鍋を食べてもお肌はプルプルにはならないって、知ってる?」から入っている説明は、その最後に、「つまり、コラーゲン鍋を食べまくっても、すぐに肌がプルプルになるってことはなく、単なる思い込みなんだ」と、言葉のニュアンスは多少違うかもしれませんが、ほぼ同じことを話しています。

「コラーゲン鍋を食べてもお肌はプルプルにはならない」

 一番伝えたいメッセージは、リピートすることに限るのです。

 なお、難易度の高い新たな情報を理解してもらう時、一度の説明ではわかってもらえないことも少なくありません。そんな時、同じ説明を繰り返すと、聴き手は2度目の説明でいきなり理解できてしまうことも、多々あります。それが、リピートの面白いところです。

 オウムのように一言一句違わずに、同じフレーズを何度も繰り返す必要はないのですが、説明の中核になる部分だけは、相手の理解度に合わせて何度か繰り返してあげるといいでしょう。

 ちなみに、私が予備校でよく使っていたフレーズは以下です。

「大事なことなので、もう一度言いますね」