禁煙は世界の潮流
中国も徐々に禁煙が進む?

 中国では「本当の」禁煙はいつとなるのだろう。

「政府は本気でたばこを禁止しようとしているのか?」との疑問の声が少なくない。政府は禁煙を推奨する立場でありながら、「たばこで多額の税収を得ている身でもある」との指摘があり(たばこ企業は国有企業であるため)、政府が「アスリートと裁判員を兼職している」と揶揄されている。

 禁煙は世界の潮流である。

 中国では、経済が発展している地域ほど、また高学歴であるほど、喫煙率が低いとのデータがある。ゆえに、こういった地域からは禁煙の風潮が年々高まっている。多くの国民もそれを望んでいる。そして、厳しい罰金制度を織り込んだ法令も近い将来施行されると囁(ささや)かれている(著者の見解ではかなり時間がかかると思う)。

 ちなみに今年1月、ある裁判が中国で大きな話題となった。

 ある中年男性がエレベーターの中でたばこを吸う高齢者の男性を注意し、口論となったが、その直後、高齢者が倒れて心臓発作で亡くなるという事件があった。高齢者の家族は、注意した中年男性を訴えたのだ。

 一審では被告の中年男性が金銭的な賠償を命じられたが、その判決がSNSで炎上した。「エレベーターの中のたばこを阻止することのどこが悪い?その勇気と正義のある行為をたたえるべきだ」と多くの声が寄せられたのだ。

 結局二審が行われ、被告人は無罪となり、賠償をせずに済んだ。専門家は、二審の判決は「社会の公共秩序を維持する一役を果たしたいい判例だ」と表明した。政府やマスコミの論調も「たばこを排除する社会的な流れを作らなければならない」という風潮になりつつある。

 現在の中国にとってたばこは、まさに「愛して、また憎む」存在なのである。