週刊ダイヤモンド

 本特集は、危機の経済の「なぜ?」「どうなる?」を徹底解説する。たとえば、こんな「なぜ?」だ。

 金融危機の波及・拡大に大きな役割を果たした商品として、CDO(債務担保証券)がある。サブプライムローンを束ねて証券化されたRMBS(住宅路ローン担保証券)などを、さらに束ねて作られた証券化商品だ。

 このCDOは、2007末から08年にかけて大騒ぎとなった「毒入りギョウザ」と似通っている。それはなぜか?――。

 1997年頃から拡大したグローバル・インバランスに伴って、国際的な大資本移動が発生し、日本や中国、アジア、米国なども含めてカネ余り状態となった。投資しようにも、その先が見つからない状態となった。

 そこに登場したのが、先ほどのCDOだ。格付けの割に利回りが取れるこうした商品は投資家に重宝され、莫大なおカネを引き寄せた。

 ところが、そのCDOが毒入りギョウザであることがわかると、投資家は全く手を出さなくなった。取引が途絶え、保有している金融機関は、売ろうにも売れない。

 そんなマヒ状態を改善に向かわせるには、大きく2つの方策がある。それは何か――。

 こうした「なぜ?」「どうなる?」を、以下のような豪華講師陣が、経済学という道具を使って解説する。(【 】は講義テーマ、順番は掲載順)

 【世界経済】竹森俊平・慶應義塾大学教授

 【日本経済】野口悠紀雄・早稲田大学大学院教授、

 【金融危機】池尾和人・慶應義塾大学教授

 【デフレ危機】福田慎一・東京大学大学院教授

 【景気対策】吉川洋・東京大学教授
 
 【財政問題】小林慶一郎・経済産業研究所上席研究員

 【オバマ経済対策】土居丈朗・慶應義塾大学教授

 【1873年大不況】北村行伸・一橋大学教授

 【政治】御厨貴・東京大学教授

 【バブル】高安秀樹・ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー

 【スウェーデン型社会】神野直彦・東京大学教授vs八代尚宏・国際基督教大学教授、

 【市場原理主義との決別】中谷巌・三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長

 【ドル基軸通貨体制】伊藤元重・東京大学教授vs小川英治・一橋大学大学院教授

 【雇用問題】川口大司・一橋大学大学院准教授

 【世代間格差】鈴木亘・学習院大学准教授

 【行動経済学】大竹文雄・大阪大学教授

 【経済学の古典10】池田信夫・上武大学大学院教授

 【ポイント整理&テスト】脇田成・首都大学東京教授

 豪華講師陣が徹底解説するこの1冊で、危機の本質と行方がばっちりわかるはず。ぜひ、手にとっていただきたい。

(『週刊ダイヤモンド』副編集長 小栗正嗣)