世界最大手といえども日本ではまだ存在感が薄い。有名ブランドのラインアップを広げれば、市場を攻略しやすくなるというわけだ。

 今回は、日本におけるバドワイザーそのもののてこ入れという意味合いも強い。1993年からキリンが製造・販売を担ってきたが、96年の約8万キロリットルをピークに、現在では9000キロリットル程度にまで落ち込んでいる。

 世界ではABIはバドワイザーをプレミアムブランドに位置付け、販売強化に乗り出しているところだ。米国ではクラフトビールの台頭で苦戦するが、米国以外では中国や韓国などがけん引し、17年に10%も売り上げを伸ばしている。

 この世界戦略の下、日本でもバドワイザーを本流の米国ブランドとしてプレミアム路線で強化したいとの思惑がある。

 バドワイザーの国内販売は現在、家庭用が8割ほど。同じくキリンが手掛ける海外ブランドの「ハイネケン」が同3割であるのと比較しても、家庭用の比率が高い。

 家庭用の缶製品では、キリンの「一番搾り」などの主流のビールに比べて、より安い値段で売られている店舗もある。プレミアムとして認識されるには不十分だ。

 ブランディングを強化するため、自社販売に切り替えた後は、「業務用にも注力していく」とABIの担当者は明かす。

 ただ、攻めの戦略があだになりかねない懸念もある。

 先述のヒューガルデンはアサヒから引き継いだ際、流通との関係による問題やアサヒの営業攻勢などもあり、販売量を一時期3~4割ほど落とした。

 現在は以前の水準に戻ったようだが、バドワイザーも同じ轍を踏みかねない。従来はキリンという大手の営業力の下、コンビニなどにも商品を展開してきたが、販売元の切り替えで現在の販路をどこまで維持できるかは見通せない。