10分考えさせてから教える
「ブラザー制度」とは

小室 ブラザー制度?

岩根 若い人が新しい課題に直面したら、先輩がブラザーになって考えさせるというものです。考えさせますが、「10分で終わりだ、10分間で考えろ」と。そして「10分経ったら教えてあげる」と。

小室 10分、と時間を区切ることで生産性向上と部下の成長を同時に図るわけですね。

岩根 短い時間の中で若手の能力をしっかり育成して伸ばすことと、生産性向上の両立というのが非常に重要な課題です。

小室 それは多くの企業が悩むポイントですが、働き方改革では、成長と生産性向上が両立しないと思われがちです。「教える時間がないから自分でやってしまう」とか「若い人には自分で考えさせることが大事なのに、働き方改革ですぐに教えていたら若手が育たないんじゃないか」などと、よく言われます。

 その点、10分考えさせてからすぐに教えるというバランスがすごくいいですよね。考えさせることも大事だけれど、何日間も孤独の状態で迷わせればモチベーションも落ちてしまう。そして何より、こうした取り組みが現場発で出てきたアイディアだというのが、素晴らしいですね。

岩根 やはり後輩をどのように育てるかは、どの職場でも共通する悩みです。大事なことは、今携わっている仕事の目的や使命感をしっかりと共有すること。そして、先輩だけが情報を抱えるのではなく、若い人にもできるだけ同じ情報を与えることです。
 
 それから、教えるときに物分かりのいい部下もいるし、少し理解に時間のかかる部下もいますが、相手に応じた対応を考えてほしいと思っています。少し理解に時間のかかる部下でも、丁寧に教えれば成長します。そうやって成長したときに褒めると、次にチャレンジする意欲が出てきます。それを繰り返していくことによって、能力、技術力は絶対に成長していくと、私はいつも言っています。

小室 岩根社長が細かい現場の事例を把握されていて、ご自身の言葉で話されるところがすごいですね。