岩根 これまでトップダウンで、「本店ではこうする」というのは明確でしたが、ポータルサイトの投稿事例によって、現場でいろいろ工夫していることがわかってきました。それをまた他の現場の方が見て、新しい投稿をするという流れができています。現場が自発的にいろいろなことを投稿してくれているのが、非常に嬉しいです。

小室 大きな企業でやりがちな間違いが、人事が主導して「会議はこうしなさい」「何時に帰りましょう」というのを全部決めて一斉に現場へ下ろすパターンです。それぞれの現場で事情が違うので、「事情をわからない人事部が勝手にやっている」と反発を招くことがよくあります。

転勤したての男性社員が
育児休職を取得するなんて…

岩根 おっしゃる通りです。私も月に3ヵ所ぐらい現場に行っています。現場に行くと、対話活動の中で必ず働き方改革の話が出ますが、いろいろ工夫しているいい話を聞く機会が多いんです。

 たとえば、転勤してすぐに子どもが生まれた男性社員がいて、「さすがに異動したばかりで自分も仕事を覚えなければいけないし、休んだら周りに迷惑をかけてしまう」と思っていたところ、上司に話したら「気にするな。みんなで助け合うんやから」と言ってもらえ、育児休職を取らせてもらった、と。

小室 転勤したての男性が、ですか。それはなかなかないことです。

岩根 育児休職を取らせてもらって、妻にも喜んでもらった。そして、戻ってきたら、みんなが「どうやった?」と聞いてくれた、と。そういうみんなのサポートにものすごく感謝しているので、次に誰かが育児休職を取るときに自分がサポートに回れるよう、自分の仕事を覚えるだけでなく、他の人の仕事もできるようにしたいと話していました。なかなかいい話ですよね。

小室 ちょっと言い方が変ですけど、こういう話を聞くと関西電力のイメージが変わりますね。「もっとハードな社風なのでは」と、世の中の人も思っているのでは。

岩根 実は優しい社風なんですよ(笑)。

小室 男性が転勤したてで育児休職を取れるような職場は、制度が立派だと言われている企業でも、そうそうないです。そういうこともヒアリングして回るんですね。