通常、部品メーカーとなる中小企業は、大手企業の発注に合わせて指示された通りの部品を製造し納品することで安定的な収益を得るケースがほとんどです。よって、大手メーカーの生産計画や仕様変更に大きく影響され、当初は創造力あふれる技術力を持っていた企業でも、メーカーから指定された製品を早く製造でき、品質を維持できる能力が求められるようになります。

 これを長年繰り返すうちに、効率化や外注化に頼るようになり、技術力が徐々に失われ、企業としての競争力もじりじりと失っていくことが多く見られます。

 リーマンショック以降、中小企業の経常利益は過去最高の水準にあり、懸命な効率化を行っているにもかかわらず、大企業との利益格差は広がる一方で、中小企業の数も毎年減少し、厳しい現実に直面しています(参照:2017年版「中小企業白書」経済産業省)。

 しかしヤマシンフィルタは、技術力を維持すること、そして技術の高さで勝負することを決して忘れませんでした。

 多くのフィルタメーカーがろ過を行うための材料であるろ材を外注するなかで、ヤマシンフィルタはろ材を自ら開発し、かつ他の一般的な製品に比べて大きさは半分ながら、排除できるゴミの量や使用期間が大きく改善できるという技術を開発しました。

 そして、この強みをもって顧客であるメーカー側に対して、タンクの容量を小さくすることを提案しました。すると、フィルタの品質改善によって建機のダウンサイジングと低コスト化が図れ、燃費もよくなりました。

 つまり、自社の部品によって建機メーカーにメリットをもたらし、信頼を勝ち得るとともに、ものづくりの主導権を握ったのです。これがヤマシンフィルタの最大の強みです。

中小企業ならではの人材に関する悩み
「会社の成長に従業員の意識がついてこない」

 技術力によって得られた成長も、規模の拡大に合わせて戦力を整えていかなければ、やがて止まってしまいます。

 ただ、日本の中小企業において人に関する課題は深刻で、解決することは容易ではありません。よくある事象として、「会社が成長していく中で、従業員の意識がついてこない」ということがあります。