メガと地銀といえば、三菱UFJ銀行ならば「火曜会」「好日朝食会」、みずほ銀行では「ハロー会」「八紘会」などといったように親密な系列関係を築いてきた。ところが、デジタルなどの新分野に関しては、そうした系列関係を超える例が散見されるのだ。

信託銀行も困り顔

 確かに、株式の持ち合いなどで強固な結び付きが多かった系列関係も、最近では薄まっている。ならば、系列超えへの抵抗感がないかといえば、そうではない。

 例えば今春、三井住友銀行は地銀10行とマネーロンダリング(不正資金の洗浄)対策などをテーマにした勉強会を立ち上げた。ところが、この中に他のメガと親密な地銀が参加しており、「『何が起きているのですか』と事情聴取が入り、地銀は説明に追われていた」(メガバンク関係者)という。

 また、今年に入り、信託銀行が地銀との新しい連携を模索し始めた。三井住友信託銀行は4月から持ち株会社傘下の子会社を通じ、投資信託を顧客に販売する地銀の体制づくりを支援。みずほ信託銀行も、秋から信託商品の販売支援アプリを地銀に提供する考えだ。

 ところが、連携先を探す現場では、「メガの顔色を気にする系列地銀に提案しても、反応がない」(信託銀行営業担当)と系列の壁にぶち当たっているという。

「かつて系列行から人材や提携面で事業支援を受けた」(地銀関係者)というメリットがあったのは事実だが、地銀の業績悪化はすでに待ったなし。系列の呪縛を解き放って利益機会を得るのかどうか、地銀は“踏み絵”を迫られることになる。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 田上貴大)