理系でも文系でも算数・数学は大事
小学生ならほとんどの時間を算数に充てたい

河端 佐藤さん、東大の入試では数学の比重が圧倒的に大きくなっていますよね。

佐藤 そうですね。

河端 したがって小学生のうちから、算数に力を入れた方がいい。私は勉強時間の半分を算数に充てるくらいでもいいと考えていますが、いかがでしょうか。

佐藤 私もそう思います。算数は積み重ねが必要な科目で、まず基礎ができていないとその後も続かない。そして理科を勉強するにも算数は必要です。ですから小学校低学年では、算数に8割ぐらいの時間を費やしてもいいかもしれません。理想的には小学校に入る6歳までに、1桁の計算はできるようにしておいた方がいいですね。それも「3足す8は?」と聞いて反射的に答えられるくらいに。

河端 九九のようにパッと答えが出てくるように、ですね。優秀な人が多いと言われるインド人は、学校で2桁の掛け算も教わるといいます。日本の生徒も九九だけでなく、2桁の掛け算を暗記しておけば役に立つはず。たとえば25×25を、覚えているのといないのとでは大きな違い。計算スピードが早ければ受験でも明確に差を付けることができます。文系の受験においても数学が得意な子は非常に有利です。

佐藤 私の子どもたちに医学部でどんな勉強をしているか聞いたら、数学なんか全然使わないでひたすら暗記だそうです。でも、論理的な考え方を求められることはあって、そのベースを培ったのはやっぱり算数・数学かなって言っています。だから数学は大切。もし、小学校高学年のお子さんが算数を苦手としているなら、1、2年生の計算まで戻って、パッと答えを出せるようになるまで繰り返し練習した方がいいです。

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