このことは下の図を見てもわかる。

 実は、英国とEU主要国であるユーロエリアとは、「財」の結びつきもさることながら、銀行サービスの連関は一層強固なものになっている。

 図表は、英国の中央銀行、イングランド銀行(BOE)のスタッフによる分析のうち、中国経済と英国経済の連関を示す資料として掲載されているものだ (○の大きさは世界貿易・システムにおける当該国・エリアのシェアを、○の間の線の太さは、取引の大きさを示している)。

◆図表2:財貿易と銀行システム

 財貿易については、中国の財がユーロエリアを経由する形で英国に相応の影響を与えていることが示唆されているのに対し、銀行システムについては、中国の影響は軽微である一方で、英国とユーロエリアの間の直接的な連関の強さがわかる。

 また、英国と米国、あるいはユーロエリアと米国のつながりも、財と比較して一層強固であり、どこかの連関が途切れたり細ったりした場合、他国にも波及するリスクが一段と大きいことが示唆される。

 シティが国際金融都市としての地位を堅持するには、金融システムの安定を維持することも重要だが、BOEのカーニー総裁は、7月17日の財務特別委員会(Treasury Special Committee)でも、「交渉なし離脱」の影響をこう警告した。

 公表した金融安定レポート(Financial System Report)の説明の中で、「英国が交渉なしにEUを離脱することになり、移行期間も設けられなければ、欧州の資本市場は分断され、英国およびEUの金融サービスは資本や担保の確保といった調整に時間を要することになり、多くの銀行員が需要の減退によって職を失うことになる」と。