タワマンにはない
団地が持つ魅力とは?

 1970年代には高度経済成長による都市への人口集中に対処すべく、多摩ニュータウンに代表される郊外の大規模ニュータウン開発を進め、1980年代には総合的な居住環境づくりをするようになった。

 憧れの対象だった団地がその後、住まいとしての勢いを落とし始めたのは、当初からの入居者が高齢化の一途をたどったことも大きいだろう。

 現在、UR都市機構が管理する賃貸住宅は全国に約73万戸。今後の団地の未来はどのように発展していくのだろうか。

「古い団地では住まいとしてのスペックを新築並みにするには、どうしても限界があります。ただ団地には“集まって住む”というコミュニティーとしての魅力があります。充実した屋外環境や行き届いた整備、多様な世代が集まって住むメリットを感じながら暮らしていただけたらと思っています」

 ライフスタイルが多様化するなかで都心回帰が起こり、タワーマンションの価格は高騰しているが、タワマンの「コミュニティ」では度々、格差やマウンティングなどの問題が取りざたされている。多くのタワマンでは、高層階の方が低層階よりも価格が高い。この事実が住人のヒエラルキーを生み、ママ友間に格差意識が芽生えることも多いという。しかし、これではコミュニティとしての「住まい」の能力は退化しているといえるのではないか。

 そんななか老若男女が集う団地が、高齢者だけでなく子育て世代などのセーフティーネットとして機能し、再び「住まい」として存在感をあらわにする日も、そう遠くないかもしれない。