近年、シリコンバレーでは、中国やインド企業の社員が目覚ましい活躍をしている。一方、日本企業から派遣される社員の多くは、真面目に取り組むが、困難を突破してイノベーションを起こそうという熱量があまり見られない。それはなぜなのだろうか──。
そんなことを考えていたとき、10年以上前の懐かしい体験がよみがえってきた。
当時、シリコンバレーに既に拠点を構えていた私は、娘が日本の小学校を卒業したのを機に呼び寄せることにした。だが、どの中学校に入れるべきか途方に暮れた。
娘は英語がほとんどできなかったが、私は同じ出身国の子供で固まらず、地元の生徒に交じって国際的な感覚を身に付け、伸び伸びと育ってほしいと願っていた。
そこで、同じベンチャー投資をしていた、知り合いのグレッグに相談したところ、驚くようなコメントが返ってきた。
「それなら、僕らの学校を見に来ないか?」
“僕らの学校”とは一体何だろう? 詳しく話を聞いてみると、こういうことだった。