認知症ケアのイメージ
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古今東西の映画を通じて、社会保障制度の根底にある考え方や、課題などを論じていく連載「映画を見れば社会保障が丸わかり!」。第16回は1973年製作の『恍惚の人』、2006年製作の『明日の記憶』など認知症を取り扱った映画を通し、認知症ケアに対する意識の変化について考えます。(ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳)

老齢人口の増加に伴う現象

 認知症への対応は今後、大きな問題となる可能性があります。人口的なボリュームが大きい「団塊の世代」が75歳以上を超える2025年の時点で、認知症の人は約700万人に増えると試算されており、政府は「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)という認知症対策のペーパーを2015年1月に策定しました。

 ここでは「認知症の人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で自分らしく暮らし続けることができる社会」を基本的な考え方としつつ、以下のような七つの柱を掲げています。最初のオレンジプランが作られたのは2012年9月なので、わずか2年半で計画を改定している点を見ても、政府の力の入れようが分かります。