東京医大学前で行われた抗議デモ東京医大学前で行われた抗議デモ Photo:Rodrigo Reyes Marin/AFLO

 東京医科大学が、入試の採点で女子を不当に差別し、入学者の女子比率を押し下げたと報道され、多くの批判の声が寄せられている。筆者も、東京医科大学の行為は許されないと考えており、擁護するつもりは毛頭ないが、批判の声には違和感を覚える部分もある。

 それは、多くの日本企業が行なっていることと比べて、特に悪いというわけではなく、日本企業全体が反省すべき問題がたまたま表面化しただけだと考えるからだ。

「罪を犯したことのない者だけが、罪人に石を投げていい」という時に、罪を犯している人々(およびそれを黙認している人々)が、今回に限って力いっぱい石を投げているようにも見えるのだ。

根源は働き方改革の不足だが
それは企業だって同じ

 医学部の入試は、一般のものとは異なり、「卒業生は大学の付属病院に勤務する前提で入学者が選抜される」ということのようだ。その意味では、入試でありながら就職試験だといえよう。