米ドル/円は、先週も何度か88円割れをトライしましたが、結局は割れませんでした。短期の円高が、いったん「時間切れ」となった可能性も考えなければなりません。
もしそうだとしたなら、前回のコラムで書いたように、どこまで円安方向へと値を戻すかが、円高再開を「判定」する手がかりになると思います(「カギは93円にあり!ドル安・円高再開の『判定方法』とは?」参照)。
8月からの短期円高は
「タイムオーバー」となった?
ちょうど1年前、2008年9~10月に、米ドル/円は歴史的な大相場を演じました。9月中旬に「リーマン・ショック」が起こったことも相まって、110円から90円まで、一気に20円あまりも米ドル安・円高へと向かったのでした。
この「リーマン・ショック」に端を発した大相場は、38営業日の日数を要しました。これに対して、今回の8月上旬から続いている米ドル安・円高は、今週で、すでに40営業日を大きく過ぎています。
また、今回の米ドル安・円高は、8月上旬の97円台から始まり、10月上旬の88円台前半まで、値幅としては10円に達していません。つまり、1年前の「リーマン・ショック」に伴う大相場の半分程度でしかありません。
値幅としては、1年前の大相場の半分程度しか動いていないのに、継続日数だと、1年前の大相場を大きく上回っているのです。
米ドル/円 日足 |
(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足) |
それでは、米ドル/円の短期大相場の継続日数として、2008年の「リーマン・ショック」に伴う大相場と、今回では、どちらが異例なのでしょうか?
実を言うと、それは今回のようなのです。
2000年以降の米ドル/円の短期大相場を調べると、30営業日前後で10円程度の値幅を伴った動きとなるのが基本のようです。
その意味では、今回の米ドル安・円高は、短期大相場としては「タイムオーバー」となった可能性が指摘できるでしょう。
では、いったん円高が「時間切れ」になったとして、その修正はどこまで進むのでしょうか?
投機筋の円買い見直しの観点から、それを考えてみましょう。