爆発パターン3
データに基づいたフィードバック・ループができる

 プラットフォームは、データに基づいたツールを用いてコミュニティのフィードバック・ループを創出することで、パイプラインを打ち負かす。

 キンドルのサービスでは、読者コミュニティの反応を見ながら、どの本が広く読まれるか、どの本がそうではないかの判断が行われている。どの種類のプラットフォームでも、それと似たようなフィードバック・ループに頼っている。

 エアビーアンドビーやユーチューブなども既存のホテルやテレビ局と競い合うために、同様のフィードバック・ループを活用している。コンテンツの品質(ユーチューブ)やサービス提供者の評判(エアビーアンドビー)について、利用者コミュニティの評価点が集まるようになると、それに続く市場のインタラクションはますます効率的になっていく。

 他の消費者からのフィードバックを見ることによって、自分のニーズを満たしそうな動画やレンタル商品を見つけやすくなるのだ。否定的なフィードバックが圧倒的に多かった商品は、多くの場合、プラットフォームから完全に姿を消すことになる。

 これに対して既存のパイプライン企業は、コントロール・メカニズム(編集者、マネジャー、監督など)に頼って品質を確保し、市場のインタラクションを形成している。しかし、このコントロール・メカニズムは規模を拡大しようとすると、コストがかかり、効率も悪い。

 ウィキペディアの成功が示しているように、プラットフォームがコミュニティ・フィードバックを活用して、既存のサプライチェーンに取って代わることも可能である。由緒あるブリタニカ国際大百科事典などはこれまで、学術専門家、ライター、編集者から成る中央集権的なサプライチェーンを通じて作成されてきた。しかし、このやり方ではコストがかかるうえ、複雑で、管理も大変だった。

 他方、ウィキペディアはプラットフォーム・モデルを使い、外部の貢献者を募ってコミュニティを形成し、それを活用してコンテンツの拡充や監視を行うことで、ブリタニカに匹敵する品質や範囲の情報源を構築しているのである。