グーグル、アマゾン、マイクロソフトに始まり、ウーバー、エアビーアンドビー、イーベイに至るまで、最も大きく、最も急成長を遂げ、最も強い破壊力を秘めた企業の成功の礎となってきたのは、プラットフォームと呼ばれるビジネスモデルである。プラットフォームは、ヘルスケア、教育、エネルギー、政府といった、より幅広い経済的、社会的領域の変革を担いつつある。本連載では、前世紀の戦略論を大きく書きかえ、世界10ヵ国でベストセラーとなった待望の邦訳『プラットフォーム・レボリューション――未知の巨大なライバルとの競争に勝つために』から、エッセンスを抜粋して紹介する。

21世紀を通じて、プラットフォームは
私たちの生活を一変させてきた

 あなたがどのような仕事に就いているにせよ、既にプラットフォームは、従業員、ビジネスリーダー、専門家、消費者、市民としての読者の生活を一変させてきたに違いない。そして、今後の日常生活にも、さらに大きな変化を与えそうだ。

 私たちはこの20年間を通じて、経済的、社会的、技術的な強い力によって世の中が変わりつつあると認識するようになったが、その中身を十分に理解している人はまだまだ少ない。そうした力がどのようにして伝統的企業に破壊をもたらし、市場を逆転させ、職業を変えていくのか。また、新興企業がどのようにそれを活用して伝統的な産業を席巻し、新たな産業を生み出しているのか。私たちは、その力やメカニズムの研究に専念してきた。

 プラットフォームというビジネスモデルは、これらの力をほぼ体現したものにほかならない。そう理解した私たちは、学歴や職務経験を超えてプラットフォーム・ビジネスを立ち上げようと尽力している企業と、緊密に連携するようになった。その顔ぶれは、インテル、マイクロソフト、SAP、トムソン・ロイター、インテュイット、500スタートアップス、ハイアール・グループ、テレコム・イタリアなどである。