あなたは、アマゾンにどういう印象を持っているだろうか?「便利」?それとも「怖い」?「アマゾンエフェクト」という言葉がある。これは、簡単にいうとアマゾンが与える影響のことだ。影響先は、競合する企業だけではない。経済や産業など、もっと広い範囲を変える可能性がある。アマゾンは、経営学の革命である。近い将来、必ず経営学の教科書に載るだろう。アマゾンを研究することは、ビジネスの最先端を知ることであり、未来の社会を知ることだ。本連載では、成毛眞氏の最新刊『amazon 世界最先端の戦略』から、一部抜粋してアマゾンの戦略を解説する。

アマゾンはどうして世界最大になったのか

圧倒的な商品数と安い値段がどうして可能になるのか

インターネットの登場で、「ネットでの買い物」が簡単にできるようになった。

同じサイトの中で、食品でも服でも本でも、ありとあらゆる種類の商品を同じ画面で選択し、簡単な支払い方法で買い物ができる。

これを究極まで高めたのがアマゾンだ。

「お客さまがアマゾンのサイトひとつであらゆるものを買えたり、サービスを受けられたりできるようにする」

創業以来、ジェフ・ベゾスはメディアなどを通じて、アマゾンという会社をこう繰り返し強調してきた。

品揃えが大量で、安い。シンプルだが、それこそがアマゾンが強い理由である。

それをどうやって可能にしているのか。その仕組みを取り上げたい。