仕事の質を高め、やり直しを防ぐダンドリ仕事術「自工程完結(JKK)」は、仕事だけでなく、料理、勉強、旅行、スポーツなど「段取り」があるもの全てに活用できる究極の思考法と言えます。なぜ、究極なのか? 仕事の基本をまったく知らない人でもわかる? 学園でおこる難題に巻き込まれる女子高生のストーリーを通じて、世界一やさしくダンドリ、フレームワークといった幅広く使える便利なトヨタの思考法やさしく解説する話題の新刊『誰でもストーリーでわかる! トヨタの思考法――知識ゼロから驚くほど合理的な「自工程完結」が身につく』から、そのエッセンスを一部抜粋して紹介します。
モレなく考えられるようになる全体思考
発想力や企画力を高める思考技術を学んでいきましょう。「よい発想が思い浮かばない」「企画力を高めたい」とお考えの方、まずは2つの思考術『全体思考』と『反対思考』をを使ってみましょう(図表参照)。
『全体思考』とは、モレなく考える思考技術です。前回のツッコミ第9系『それだけなの?』とツッコまれないための思考技術です。
モレなく考えるということは、「全体を捉える」、つまり「外枠を押さえる」ことです。
外枠とは、例えば、『前・中・後』『内・外』『男・女』といった、それらの断面で見た場合、ヌケ、モレがない枠組み(フレームワーク)のこと。これらのフレームワークは、物事を分類、層別すると、必ずどれかに属します。例えば、文化祭の運営を例に取り、「前・中・後」のフレームワークを使うと、文化祭の作業は必ずどれかに属することがわかります。
・前…文化祭の企画、出し物の制作など
・中…出し物の披露、見学など
・後…文化祭の評価、記録保存など
つまり、最初に全体(外枠)を押さえ、枠内へアイデアを入れ込むことで、モレを防ぐわけです。
少し補足すると、フレームワークは、「前・中・後」のように論理的に抜けがないもの以外に、世間一般的に見て、これだけ押さえておけば、モレはないと見なしてよいと言われものがあります。
例えば、調査/分析などに用いられる、3C(頭文字Cから始まる3つの単語)。
・Customer(カスタマー:顧客)
・Company(カンパニー:自社)
・Competitor(コンペティター:競合)
つまり、お客様を知り、自分を知り、敵を知るということです。
例えば、彼氏を射止めたい場合、どうするか?
・彼氏(カスタマー):趣味、好み、交友関係 など
・自分(カンパニー):アピールポイント、彼との接点 など
・恋敵(コンペティター):特徴、動向 など
を知ることで、彼氏をゲットできる……はずです。
「全体思考」で、ツッコミ第9系『それだけなの?』とツッコまれないようにしましょう!