仕事の質を高め、やり直しを防ぐダンドリ仕事術「自工程完結(JKK)」は、仕事だけでなく、料理、勉強、旅行、スポーツなど「段取り」があるもの全てに活用できる究極の思考法と言えます。なぜ、究極なのか? 仕事の基本をまったく知らない人でもわかる? 学園でおこる難題に巻き込まれる女子高生のストーリーを通じて、世界一やさしくダンドリ、フレームワークといった幅広く使える便利なトヨタの思考法やさしく解説する話題の新刊『誰でもストーリーでわかる!トヨタの思考法――知識ゼロから驚くほど合理的な「自工程完結」が身につく』から、そのエッセンスを一部抜粋して紹介します。
手順とは「実施すべきこと」と「その順番」
手戻りなく仕事を進めるにはどうしたらよいでしょうか? そこには、気合いや心掛けではなく、科学的なアプローチが必要になります。
今回は、自工程完結の6つのキーワード(1.目的 2.目標 3.最終的なアウトプット 4.手順 5.判断基準 6.必要なもの)のうち、手順、判断基準、必要なものについて学んでいきましょう。
まず、手順とは、最終的なアウトプットを出すための「実施すべきこと」と「その順番」です。手順を描くやり方は、まずは、大まかな手順を描き、細かい手順へ分解していきます。
具体的には、
1)やることを洗い出し、時間の流れで並べる
時間の流れ【前・中・後】、手順の粒度【大・中・小】を考慮して層別する。
2)関係者を明確にする
関係者を自分・自部署のみならず、他者・他部署【内・外】で捉え、関係者で一緒に考える。
「手順にヌケやモレはないか」「前後関係は整合が取れているか」「後工程が期待するアウトプットになっているか」などを検討・合意して進めることにより、より質が高く、やり直しのない最終的なアウトプットを得られます。
ちなみに、マクドナルド創業者のレイ・クロックは、こう言っています。
「何事も小さな仕事に分けてしまえば、とくに難しい話ではない」
では、「女子会の開催」を例に手順を描いてみましょう。
まず、大まかな手順(【大】プロセス)は、下記のようになります。
・前…『企画』→『開催案内』
・中…『食事・歓談』→『会費徴収』→『会計』
・後…『お礼&記録(シェア)』
更に『企画』の手順を細分化すると(【中】プロセス)、
『開催趣旨の明確化』→『参加者の選定』→『開催日程の決定』→『開催場所の決定』→『予約』
更に『開催場所の決定』を細分化すると(【小】プロセス)、
『グルメ情報の収集』→『参加者の要望聞き込み』→『候補地の選定』→『お店の決定』
以上のようにプロセスを描くことができます。