前回に続き、株式会社ワーク・ライフバランスの創業メンバー大塚万紀子氏と、Nagata Global Partners代表パートナーでパリ第9大学非常勤講師も務める永田公彦氏の対談(全3回)をお送りする。一人ひとりの働き方や生き方が、今後どう変わっていくのか?より充実したものにするには何が必要か? 働く人(生活者)と働いてもらいたい人(経営者)、海外から見える日本人の文化という視点から意見が交わされた。最終回は、働き方改革について、成功する企業や経営者の特徴、“他人ごと”から“自分ごと”になってきていること、また、今後は、個人が成熟度を高めるとともに、雇用システムも、より個人の意思を反映したものにすることの重要性についてお伝えします。
>>第1回『なぜ日本人は有給を取れず、フランス人は取れるのか』https://diamond.jp/articles/-/178368から読む
うまく働き方改革が進む企業に
共通する特徴は何か
永田 前回までとは角度を少し変えて伺いたいのですが、これまで御社がお付き合いした企業の中で、特にうまく働き方改革が進む企業に共通する特徴はありますか?またそれは何ですか?
大塚 いくつかありますが、大きく2つです。1つは、経営者が「どうなるかわからないけど、やってみよう」とおっしゃる企業です。つまり、働き方改革は俺もやったことがない。でも皆でやってみようじゃないか、とトップが失敗を許容しチャレンジを推奨する企業です。
2つ目は、関係の質が高く、心理的安全性も確保されている企業ですね。つまり、お互いのコミュニケ―ションがきちんととれている組織は成功しやすいです。働き方改革に限らず、いろいろなものを風通し良くテーブルに並べられる企業です。