ヴィッセルとしては登録枠を空ける必要があり、2度に及ぶ左ひざ前十字じん帯損傷で昨シーズンを棒に振ったレアンドロが7月にJ2の東京ヴェルディへ完全移籍。3年ぶりに復帰したチョン・ウヨンも、カタールの強豪アル・サッドから届いたオファーを受けて新天地へ旅立った。

 そこへ8月になってヤセルが期限付き移籍で加わった。同11日のジュビロ磐田との明治安田生命J1リーグ第21節からは6人全員がベンチ入り。迎えたマリノス戦で歴史が変わった中で、ヴィッセルの姿はJリーグ全体のごく近い将来と重複すると言っていいかもしれない。

「外国籍選手枠の撤廃」によって
日本人選手がより成長できる可能性も

 偶然にもJリーグ内では、外国籍選手枠の撤廃が検討され始めている。唐突なように映るかもしれないが、実はJリーグ内では幾度となく議論の俎上に載せられては、時期尚早という理由で見送られてきた長年の懸案事項でもあった。

 実際、2016年秋にはJクラブの代表取締役で構成される実行委員会の席上で、実質的な外国人枠撤廃となるこんな素案が提示されている。

「日本人選手を15人以上保有していれば、それ以外のすべての選手が外国籍選手でもいい」

 この時は議論百出の末、試合実施要項の第14条が前出のように改定された経緯がある。実は外国籍選手枠の拡大・緩和や撤廃が議論されるたびに、日本人選手の出場機会が減少して、ひいては日本代表を担えるような選手が育たないのでは、という懸念がクローズアップされてきた。

 しかし、日本サッカー界が長くお手本としてきたドイツのブンデスリーガは、2006-07シーズンから外国籍選手枠を撤廃。結果として長谷部誠(アイントラハト・フランクフルト)や香川真司(ボルシア・ドルトムント)ら、数多くの日本人選手がプレーできる土壌を生み出してきた。

 だからと言ってドイツ代表が弱体化したかと言えば、答えは明白にノーとなる。ロシア大会こそグループリーグ敗退を喫したものの、ドイツ代表は前回ブラジル大会では24年ぶり4度目の頂点に立ち、南米大陸開催のワールドカップで初めて優勝したヨーロッパのチームとなった。

 外国籍選手枠の撤廃と同時に、ブンデスリーガは「ドイツ人枠」を導入している。各クラブは最低でも12人のドイツ国籍をもつ選手を登録し、そのうち8人はドイツ国内のアカデミー出身、さらに8人のうち4人は当該クラブのアカデミー出身でなければならないと今現在では定められている。