堀江貴文氏と、著者であるチャン・キム教授(INSEAD)に任じられ、『ブルー・オーシャン・シフト』の日本企業ケースを執筆したムーギー・キム氏の対談後編。前編では、ゼロ高等学院の設立の意図や、堀江氏自身の生き方の戦略について、中編ではモビリティなど、いくつかの業界の未来図について話を聞いた。後編では、堀江氏が自身の自己実現の戦略を語る。(写真:小島健志、構成:肱岡彩)

日本酒のポジションを再定義する

堀江貴文
1972年、福岡県八女市生まれ。実業家。SNS media &consulting株式会社ファウンダー。東京大学在学中に有限会社オン・ザ・エッヂを設立、起業家としてビジネスをはじめる。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手がけるなど幅広く活動を展開。また、TV、ラジオ、インターネット番組にも出演、活躍中。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」は1万数千人の読者を持ち、2014年には会員制のオンラインサロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」をスタート。著書に、『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『好きなことだけで生きていく。』(ポプラ社)、『10年後の仕事図鑑』(落合陽一氏との共著、SBクリエイティブ)などがある。

ムーギー:堀江さんはさまざまなプロジェクトに携わっていらっしゃいますよね。堀江さんの名前が付くことで、他の人がついてきて、さらに事業が広がっていく。このモデルは、今まであまり日本にない形ですよね。

堀江:そうですね。ただ、細かいプロジェクトは自分で全部やらず、うちのオンラインサロンの「堀江貴文イノベーション大学(HIU)」の会員にやらせているんですよ。
 例えば、今、日本酒を高く売りたいなという思いがあって。

ムーギー:というと。

堀江:日本酒って、今すごく安いんです。一番ハイグレードな4合瓶の純米大吟醸が、いくらくらいで売られているか知ってます?

ムーギー:5000円とかですよね、確か。

堀江:そう。高くて5000円くらいなんですよ。日本酒の4合瓶は720ml、ワイン1本は750mlなんですね。5000円のワインって、どう思います。

ムーギー:ハイグレードではないですよね。

堀江:ワインの5000円って、下手するとコンビニで売っているレベルじゃないですか。日本酒はハイグレードなものが5000円程度。ワインと比較すると、安く売りすぎているんですよ。

ムーギー:確かに。

堀江:日本酒は安く売りすぎているから、実は今、世界からめちゃくちゃ注目されていて。インターナショナルワインチャレンジというワインコンペでも、2007年から日本酒部門ができて、規模もどんどん拡大している。
 他にもアメリカのワイン評論家のロバート・パーカーが中心となってワインの評価をしているパーカーポイントでは、日本酒版も発表されている。これは今、日本酒が超アンダーバリューだから、今のうちに投資すれば、絶対上がるよねっていう話なんですよ。

ムーギー:世界でそんな日本酒を取り巻く環境が変わってきているんですね。

堀江:そう。そういった潮流を受けて、僕が今取り組んでいるのは、日本酒を安く売っているから、もっと高く売ろうよという活動ですね。今度、日本酒もプレミアムオークションを開催したいと思っていて。そういったものを開催すると、多分すごく高く売れると思うんです。
 毎年、ワインのオークションのプレミア・ナパ・ヴァレーに参加して、ワインを買っているんです。各蔵が、フル樽、ハーフ樽、クオーター樽という3種類の樽を、それぞれ1樽ずつ出品して、それをオークション形式で落札していく。そこで高値が付くと、市場で評価がされているんだなと思われて、普通のワインボトルも高く売れる。
 要は、ブランディングですよね。これは日本酒でも応用できると思うんです。