「スキマ時間」の活用法を究める

 もう一点、お伝えしておきたいことがあります。
 それは、「ワークログ」をつけるときに、「スキマ時間」の使い方にも注意を払うということです。15分単位で記録する意味も、そこにあります。

 仕事を効率的に進めることができる人をよく観察すると、「スキマ時間」を実にうまく活用していることがわかります。たとえば移動時間。効率的に仕事をする人は、たとえ10~20分ほど電車に乗るだけであっても、その時間に何ができるかを考えます。

 座席に座れる時間帯であっても、パソコンを開いて資料作成ができるでしょうし、混んでいる時間帯であっても、つり革につかまりながら資料を読むことができるでしょう。「ワークログ」をつけるときに、このような「スキマ時間」で何をやるかを考えて、あらかじめ準備をしておけるかどうかで、仕事の効率には雲泥の差が生じるのです。

 また、「スキマ時間」だからといって、小さな仕事しかできないわけではありません。時間のかかる難易度の高い仕事も、「スキマ時間」を活用することで、より効率的に進めることができます。

 私も、丸一日かけて難易度の高い仕事をするためにスケジュールを空けておいたのに、その日になっていざ取りかかろうとすると、「あ、あの資料がないとわからない」とか「あの人に確認してからでないと進められない」などと気づいて、結局、ろくにできずに終わってしまったことが何度かあります。

 このような事態を避けるためには、「スキマ時間」に難易度の高い仕事に少し手をつけておくのが正解。そのときに、「あの資料が必要だな」「あの人に確認しておかなければ」と気づくことができれば、下準備ができるので、時間のロスをふせぐことができるのです。
 しかも、難易度の高い仕事は、とっつきにくくて着手するのに心理的ハードルを感じますから、ついつい先延ばしにしてしまって、あとであわてることになりがちです。そうならないためにも、重い仕事は小分けにして、「スキマ時間」でちょっとずつ進めておくのがベターなのです。

 たとえば、「企画書の作成」であれば、「参考書籍のピックアップ」「過去の事例収集」「先輩へのヒアリング」などと小分けしておけば、それぞれの仕事は意外と軽く感じられます。しかも、それらの小分けした仕事を進めると、少しずつ全体が見えてきて、「よし、あとは一気に仕上げよう」という気持ちにもなるのです。

 このように、「スキマ時間」を意識しながら、日々、15分単位で記録し続けることで、大幅にロスタイムを省き、仕事の効率を上げることができるようになります。ぜひ、その意識をもって「ワークログ」を続けてください。