徳川家康の「成功」の鍵は、何だったのか？「やばい」から日本の歴史が見えてくる

偉人たちも、みんな欠点をもった「ふつうの人間」だった

「もし、家康が明智光秀を討って天下人になったとしたら、秀吉や柴田勝家が黙っていなかったでしょう。

　関ヶ原の戦いに代わるような、天下分け目の大戦が起こるかもしれません。それを避けるため、武士たちの怒りのエネルギーを身近な外国に向ける、ということは十分考えられます。

　そして、家康をもってしても朝鮮出兵の成功は難しいでしょう。こうして徳川家が家臣の支持を失った結果、“豊臣幕府”や“前田幕府”が誕生したとしてもおかしくはありません。

　もちろん家康は“すごい”人ですが、“すごい”だけの人なんていません。偉人といっても完全無欠な英雄ではなく、みんな欠点をもったふつうの人間なんです。

　だから、歴史を知るときには、彼らの“すごい”部分を学ぶと同時に、“やばい”部分を知るのも大切。そうすることで、歴史がぐっと身近なものになるのです」