すべての式典、イベントを中止に
翌3月12日は、ずっと前から、お祝いの日、と決まっていた。
1973年から38年間、九州のみんなが待ちわびた新幹線の全線開業日だった。
式典そのものも、3年以上前から膨大な時間とコスト、人手をかけて準備を進めていた。
しかし、これはやっちゃいかんぞと思った。
これは国難だ。
JR九州が笑顔でイベントなど開けるはずがない。
すぐに関係役員全員を呼び、翌日の開業式からすべてのイベントを中止するようにと伝えた。
役員のなかには、中止という方針に難色を示す向きもあった。
九州も広い。
この記念すべき日に全力投球してきた自治体からも、「その決定はいかがなものか」と連絡が入った。
しかし、頑としていい張った。
「これはやってはいけない!」
これをやったら、当社が、九州が、日本がダメになると思った。