2階建て構造の連絡橋は、2階の自動車専用道路の継ぎ目部分が断裂し、通行できない状態になった。1階の鉄道部分も少なくとも数十センチ横ずれしていることが明らかになっており、JR西日本や南海電鉄は詳しい調査のため当面の運転を見合わせる方針だ。

 連絡橋が破損した影響で、関空に隣接するホテルを含めた約3000人以上の利用客と関空職員約2000人以上が身動きできなくなった。ビル管理会社がターミナルビルを開放し、毛布を貸し出したほか、飲料水のほか、ビスケットや乾パンなどの非常食を配布したが、体調不良を訴える人も出た。

 ツイッターには停電した様子や「エアコン効いてない。めちゃ暑い」「自販機が動かない。コンビニも長蛇の列」などのほか、「いつになったら帰れるの?」との訴えが相次いで投稿された。

インバウンド影響に暗雲

 関西では近年、訪日外国人(インバウンド)が観光地に押し寄せているが、その玄関口が関空だ。大阪府泉佐野市の沖合約5キロを埋め立てた人工島に建設され、1994年に開港した。開港当時は滑走路が1本だったが、増設し現在は2本。対岸と約3.8キロの連絡橋が道路と鉄道を結んでいる。

 24時間離発着できるのも強みで、格安航空会社(LCC)が相次いで就航し、中国や韓国、東南アジアなどインバウンドの利用増加につながっている。

 昨年度の旅客数は2880万人で、それまで3年連続で過去最高を更新。今年度は3000万人を突破すると見込まれていた。電車で乗り継ぎできる大坂の繁華街・ミナミは連日、多くの外国人観光客でにぎわう。さらに近隣の京都や奈良など文化財が多い地域のほか、関空を起点に全国各地を訪問する外国人も多く、経済的な波及効果は大きい。

 しかし関空が機能を停止すれば、インバウンドの減少は免れない。連絡橋に電車とリムジンバスを運行している南海電鉄の駅員は「詳しいとこはよう分かりませんけど、復旧は長引くみたいに聞いとります。ほんま、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」と困惑していた。

 9月4日は、くしくも、お祝いすべき開港24年目の開港記念日だったが、関係者には残念な1日になってしまった。復旧が長期化すれば、経済への影響は計りしれない。早急な対策が急がれる。

(※9月6日17時前後の情報を基に執筆しています)